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2009/01/12

倒置法?



テレビで「菊池寛」の言葉を紹介していた。それ自体は向田邦子が自分のエッセイの中に記したもので、向田が小学生のとき学校でおこなわれた講演に招かれた際の菊池の言葉だそうだ。

『人を批評したり判断する時には欠点を先に言いなさい。「あの人は、人は好いが、だらしがない」というとだらしがない人ということになってしまう。しかし「だらしがないが、好い人だ」と考えれば世の中は楽しくなります』

ちょうど前日、妻と話をしていて同じようなことを言っていたので、偶然の妙を感じてしまった。妻が言っていたのは、魔夜峰央の漫画に書いてあった言葉だそうで、「隣のオヤジは働き者だけど、大酒飲みだ」というと単なる大酒飲みだけど、「隣のオヤジは大酒飲みだけど、働き者だ」というと難はあるが良い人物だということになる。

いわゆる「倒置法」とは異なるが、同じ形容詞や形容動詞の連続でも、うしろにきたほうの印象が強くなる。これは先の形容詞を「が」や「だけど」で打ち消しているためで、順番を変えるだけでずいぶん印象が違う。

いっぽう幼児教育だと、なにかを達成したときには「とにかくいっぱい褒めてやりなさい」そして、問題のあった箇所を「でも、こんどは○○できるともっといいね!」と、先におだてておいて、最後にそれとなく指摘をするという教えかたが一般的なようなので、上の方法がなんでも当てはまるというわけでもなさそうだ。

「あんたなんて バカでマヌケで 顔はわるいしスタイルもよくない 才能もないしお金もない 性格悪いし気が利かないし優しいところなんてこれっぽっちもないけど でも好きよ」(ってぇ、好きなのかよ)

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