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2008/03/08

大気圏再突入



以前から疑問に思っていたのが「大気圏突入」。なぜ、すさまじい速度で落ちてくるのか?それゆえ空気との摩擦熱が生じてほとんどの材質が燃え尽きてしまう。だんだんと高度を下げながら、もっとゆっくりと降りてくれば、そういう状態にはならないんじゃないだろうか。

じつはそうはいかないらしい。ご存知のように空気にも重さがある。1立方メートル1.225kgぐらいだ。だから重力にひかれて地球表面に溜まっている。ただし気体なので池の水のようにタプタプになっているわけではなく、地表から離れれば離れるほど希薄になっていって最後にはなくなってしまう。だから大気壁ではなく“大気圏”なのだ。

たとえばハンカチを大気圏で放り出すと、ゆっくりと落ちてゆく。これは重力が少ししかおよんでいないためで、ハンカチにかかる重力が増してきて、落ちるスピードが速くなってもまだ空気が薄く、空気抵抗が少ないので、どんどん速度が上がってしまう。やがて空気の密度が急に濃くなったときには、相当なスピードになっていて大気の圧力と摩擦熱によって燃え尽きてしまうというわけだ。

だから、空気の密度が濃くなる地点まで重力に逆らって上に向かって飛ぶ力があるものならゆっくり降りてこれるが、そんなものはロケット噴射くらいしかない。酸素が少ないところではジェットエンジンもスカスカなのだ。スペースシャトルだって飛んでいく時はロケット噴射の助けを借りて宇宙に出るし、大気圏に突入する時の速度はマッハ20、機体表面温度は1,500度以上だそうだ。

それでも大気圏に対して斜めに(ゆるい角度で)侵入すると多少軽減されるというのはなんとなくわかるような気がする。じっさい使用済みの人工衛星はあえて突入角度を深く取り、地表に落下する前に燃え尽きるように落とすらしい。

ちなみに旅客機などの飛行機の高度はだいたい1万メートル。なぜそんなに高いところを飛ぶのかというと、燃料効率の関係らしい。高度が低いと空気抵抗が大きく、高すぎると酸素が薄くてエンジン出力が必要になる。ちょうどいいのが1万メートルとのこと。

「地球での自由落下というやつは、言葉でいうほど自由ではないのでな」

【レポート】宇宙から紙飛行機を飛ばしたい - マッハ7への挑戦
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/01/30/aircraft/

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