用務員ぢょんたが日々勝手なことを書き綴っています。
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2008/07/10

キレやすい老人



人間、年をとって丸くなったとはよく言われることだが、このところ“キレやすい老人”が増えているらしい。

友人が歯科医で待たされた際、先生が恐縮しながら「大変お待たせしてしまって申し訳ありませんでした」と詫びたという。「ガマン強いですねぇ」ともいわれたが、30分も経っていなかったので「ふつうこれぐらいは待つでしょう、気にしませんが」と答えたところ、先生は「とんでもない10分も待たせると、怒って帰っちゃいます。特にお年寄りは」と苦笑しながらいっていたそうだ。

そういえばワシも、食堂やらコンビニなどでよく横柄な客を目にする。「俺は客だ!」といわんばかりの態度でなにやら店員に文句をつけている。ほとんどが年配だ。高級料亭で大金をばらまくわけでもないのに、たかだか定食屋で、何もそこまで威張ることないだろうと思ってしまう。

NHKの番組でやっていたが、どうやら脳内物質に関係があるらしい。名前は忘れたが、脳で感情を抑制するためのある物質が作られ、人はその作用でガマンすることができるのだという。子どもの頃は少なく、成長するにつれ増えて、30歳をピークにまたどんどん減少していくのだそうだ。驚いたことにその物質の量は、60歳だと幼児と同じくらいしかないという。おもちゃ屋の床で転げ回ってダダをこねているガキと同じなのだ。

しかしながら、上記の理由では「最近増えてきた」という説明にはならない。もう少し分析してみると、今の60歳代は戦争経験がない。70歳くらいで終戦の年に7つだから、その年齢でもよくは覚えていないだろう。戦前や戦中の大変な暮らしを知らないのだ。(もちろんワシも知らないが)

そして高度成長時代に自分たちが、この経済大国を作り上げたと自負する人々。苦労した経験と記憶があり、それを乗り越えてきたという自信もある。やがて定年になり身体は徐々に故障箇所が増え、思うように動かなくなってくる。ところが家族からは大事にされるどころかゴミ扱いされる始末だ。当然ストレスがたまりまくる。その脳内物質はもうほとんど出てないのに。。。

そしてある日、キレる。(先日のハンマーじいさんのように)

日本は古くから、よくも悪くも封建的だった。家長は死ぬまでその家の最高権力者だったし、周りの者はとりあえず長老をあげ奉った(ちょっと言い過ぎか)。また、そうするように子供たちにも教育した。とにかく、もう少し年寄りを大事にする風潮だったはずだ。

ところが、キレるのは老人だけではない。なんとか雇用法、石油高騰の物価高、年金問題や環境問題等山積みのふがいない政治。なにがサミットだ!なにがオリンピックだ! 誰がキレても不思議じゃない時代なのだ。ハンマーじいさんはきっと警鐘を鳴らしているに違いない。

1 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

つくづくですね^^