2008年日本/★★★★★5点
いわずとしれたジブリの最新作です。「ハウルの動く城」から実に4年ぶりの宮崎作品なのですが、ワシにはあまりピンとくるものがありませんでした。
少年と魚の子・ポニョの心温まる交流を描いた作品ですが、ストーリーに起承転結がなく、いまいちそれぞれのシーンを適当にくっつけたような印象をうけます。宮崎氏自身も「あえてそうした」と語っていますが、観て楽しむ人たちの気持ちを忘れてしまっているようです。
手書きのイメージを盛り込み「絵本のような」印象を与えるように作られています。また、ディズニーを意識したような作風も随所に見られました。絵的には進化しているようですが、物語の理由付けやキャラクターの個性が薄く、作品を通して訴えたいことも弱いものになっています。
毒舌で有名な押井守氏が「老人の妄想でしょ」と語っていたそうですが、少なからず当たっている発言だと思いました。宮崎駿の得意とするところの「人の優しさ」「独特の世界観」をたっぷり盛り込んだ作品はもう観ることはできないのかもしれません。
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