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2008/05/15

ノーカントリー

(2007米)★★★★★5点


第80回アカデミー賞、作品賞他4部門受賞。で? という感じです。1980代のテキサス、メキシコを舞台に、麻薬密売に絡んだ大金をたまたまパクってしまった男。それを追う精神異常ともおもえる殺し屋、さらに両方を追う老保安官。

追跡劇は緊迫感があり見応えがあります。しかし映画の本質はそこにはなく、退職間近の老保安官を通して、昔と今の人間性や社会の本質を問いかけたかったのではないかとおもいます。

しかしながら、殺し屋の異常ぶりばかり目立ってしまって、ストーリーがバラバラな感じです。「え?あんたそこで死んじゃうの?」って場面が2回ほどありました。起承転結という流れを無視していて、見ている時はいいのですが終わってから心に残るものがあまりありません。残ったものは「あの後どうなったの?」という疑問と「人はあの場合そういう行動はとらないでしょう」という不満だけです。

「異常な殺し屋の物語」か「老保安官の人生訓」のどちらか一方に比重を置くべきだったとおもいます。ただトミー・リー・ジョーンズの老保安官役はシブかったし、ハビエル・バルデム演じる殺し屋は鬼気迫るものがあったので+1点。

原題は「NO COUNTRY FOR OLD MEN」です。「ノーカントリー」じゃちょっと辛いでしょ。

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