用務員ぢょんたが日々勝手なことを書き綴っています。
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2008/09/08

猫とベランダと統計2



住宅事情からマンションなどでペットを飼う人が増えている。昨日書いた“間違った認識”から猫をベランダに出す人も多いらしい。ほとんどの猫は屋外が好きなのでベランダに出してやれば、手すりに乗ったり床でゴロゴロしたりそりゃあもう大喜びだ。

ところが猫は意外にトロい。高所という感覚はあまりないようなので、平気でスチール製の10センチくらいしかない手すりに飛び乗り、毛繕いしたり外を見たりしている。そこへ鳥が来たり、風が吹いたり、頭をプルプルしたりすれば不安定なことこの上ない。落ちそうになったら爪をかければ大丈夫だとでも思っているのか!金属製の手すりには爪はかからない。キーッとイヤな音がして落ちてくところを想像しただけでもこっちの尻がもぞもぞしてくる。

そんなわけでベランダからの猫の落下事故が増えているそうだ。そこでやっと統計の話になるのだが、こんな調査結果が出ている。ニューヨーク・タイムズの科学別冊『サイエンス・タイムズ』に掲載されたものだ。

1984年にニューヨーク市の高層マンション(2階~32階)から猫が落ちた事故の統計で、獣医師の記録があるのは5ヶ月間で129匹だった。その内、死亡したのは8匹で、驚くべきことに7階以上から落ちた猫、22匹のうち、死亡は1匹、さらに9階以上から落ちた13匹は全て生存し、内骨折が1匹だったという。なんと高い階から落ちた場合のほうが生存率が高いという結果だったのだ。

これについて獣医師の見解は、より高いところから落ちたほうが態勢を立て直す時間があり、さらには空気抵抗を大きくするためにムササビのように脚を広げて落下できるので、着地の際に衝撃を和らげることができるのだという。

と、ここまで読んで「へーへー」と思ってしまった人は素直でだまされやすい。考えてみてほしい、ビルから落ちた猫を動物病院に連れていく場合のケースを
・大丈夫そうだったが念のため
・怪我をしていたので連れてきた
・まだ息があったので助かるかもしれないとおもい

そして、連れていかない場合のケースとしては
・落ちてそのまま逃げた
・全然大丈夫だったから
・怪我をしていたがお金がかかる等他の理由があり
・死亡していた

そう、全然大丈夫だった猫と死亡した猫はほとんどの場合動物病院に連れていかないのだ。つまりこの数字はビルから落ちた猫すべてではないので分母になり得ないわけだ。よって“高ければ高いほど大丈夫”という見解も信憑性が薄くなる。

統計から導き出された結論にはよくこういった落とし穴がある。たとえば風邪をひいた人のうち、病院にいった人といかなかった人の治るまでの日数を調べたところ、病院にいかなかった人のほうが風邪が早く治っているという統計が出ている。だから病院にいくとむしろ長引くという人がいるが、とんでもない間違いだ。

ふつうちょっと風邪っぽいだけでは人は病院にいかない。ちょっと風邪っぽいだけなので多くの場合じきに治る。一方、いい加減ひどい状態になっていよいよ病院を訪れるわけで、当然病気も長引く。それをひとくくりにしてしまって、統計を出すこと自体間違っている。そもそも条件が違うのだから。

統計から出た結論を鵜呑みにせず一度疑ってみることが大切です。

「いまや日本人の9割はデジカメを持っている!」インターネット上でアンケートを行ったところ「デジタルカメラ」を所有する家庭は全体の85%以上だとか。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

以前にも書かしていただきましたが、自分の頭で考え行動するって行為を知らず知らずに削られているんですよね、このように言っていただければ納得するのが殆どなんですが。
科学も道具も物質面では飛躍的に進化しているのに扱う人間が退化している(x_x)


それにしても、デジカメって考える以上に持っているんですね!
???ってな感じですね(^_^)

ぢょんた さんのコメント...

7階以上から落ちて“動物病院に連れてこられた猫35匹”のうち1匹しか死んでいないというのも妙な話ですが...

匿名 さんのコメント...

猫じゃなくてムササビだった、なんてオチじゃないでしょうが・・(・-・?)
まあ、家畜化してもその辺は我々人間より野生の生命力が凄いのかもしれません。